2026.07.22
金利が高いのに住宅価格が下がらない理由?ロングアイランド住宅市場
「金利が高いのに、なぜ家の値段は下がらないのですか?」最近、お客様から最も多くいただく質問の一つです。
一般的には、住宅ローン金利が上昇すると住宅購入者が減り、不動産価格は下落すると考えられています。しかし、ロングアイランドではその常識が必ずしも当てはまるとは限らないのが現状です。現在のロングアイランド住宅市場は、依然として売り手優位の状況が続いています。住宅価格の中央値は過去最高水準に達し、多くの物件が短期間で売却されています。人気エリアでは売り出し価格を上回るオファーが入り、複数の購入希望者によるビディングウォー(競争入札)が発生するケースも珍しくありません。
その最大の理由は、既存オーナーの売り控えによる「住宅供給不足」です。
2022年以前の超低金利時代に住宅を購入した多くのオーナーは、現在2~3%台という非常に低い金利の住宅ローンを抱えています。もし今売却して新しい住宅を購入すれば、6%台の住宅ローンを組み直さなければならないため、売る動機は極めて低いと考えられます。実際、 Clever Real Estateの調査ではベビーブーマー世代の61%が「自宅を売る予定はまったくない」と回答しており、前年よりさらに増加しました。売却を予定している人はわずか10%にとどまっています。つまり、市場には買いたい人がいるのに、売りたい人が少ないという状況が続いているのです。
一方で、住宅市場にとって明るいニュースもあります。住宅ローン金利は昨年よりやや低下し、ニューヨーク州の30年固定ローンは現在6%台前半で推移しています。ただし、これは必ずしも価格下落を意味するわけではありません。むしろ金利低下によって「そろそろ買おう」と考える購入者が市場へ戻ってくる可能性があります。供給が限られたまま需要だけが増えれば、再び価格上昇圧力が強まることも十分考えられます。
さらにロングアイランドでは、ブルックリンやクイーンズから移住するファミリー層が引き続き増えています。広い住居スペースや庭付きの住宅、学齢期の子を持つ親にとって、ロングアイランドの魅力は依然として大きいのです。最近特に目立つのは、教育を重視する家庭の動きです。特に、ニューヨーク市の学校入学制度の変更により、希望する学校へ進学できる保証が以前より不透明になったことから、学校区を基準に郊外への移住を検討するケースが増えています。
全米トップクラスの高校を抱える地域では、子どもの高校4年間だけ賃貸住宅を借りるという家庭も少なくありません。その結果、賃貸市場も活況を呈し、家賃は過去最高水準に近い状態が続いています。
ロングアイランドの不動産市場は常に変化していますが、現時点では「住宅供給不足」と「根強い需要」という二つの大きな力が市場を支えています。
売買市場も賃貸市場も、しばらくは高値圏で推移する可能性が高いとみられます。購入を検討されている方も、売却を考えている方も、今後の金利動向と在庫状況には引き続き注目していきたいところです。