不動産トレンド│ニュージャージー州の不動産マーケット

2025年秋から冬にかけてのニュージャージー州の不動産市場は、「価格は上昇傾向が続くものの、買い手の力が少し強まりつつある」「物件の在庫が増え、選べる物件の数がわずかに増えてきた」このような “変化の兆し” が見え始めています。

まず価格の面では、州全体の住宅価値の平均は約 55万9千ドルほど(2025年12月8日付)。これまでと同じようにゆっくりとしたペースで上がり続けており、急に跳ね上がるというより「安定して少しづつ上昇している」といった状況です。多くの専門家は、今後1〜2年で毎年2〜4%程度の値上がりが妥当、との予測を出しています。

一方、物件の数や「買いやすさ」にも少し変化が出てきています。10月の時点で、売り出し中の物件数(在庫)は前年比で約9.5%増加。また、全住宅タイプの販売のうち、売り出し価格より高く売れた物件の割合はやや減少傾向(=買い手の値引き交渉できる余地が少し出てきている)と報告されています。

さらに「物件が出たらすぐ売れる」という争奪戦のような状況は、落ち着いてきています。昨年までのような「バブル的な買い急ぎ」は弱まり、買い手側は慎重になり、売り手も価格や条件に少し柔軟になってきてる、そんな印象です。

この流れには背景があります。金利が高めに推移しているため(州内を含む米国全体で住宅ローン金利がやや高止まり)、以前のように「誰でも気軽にローンを組んで家を買う」ことが難しくなっています。 その結果、実際に購入可能な資金を持つ人や余裕のある人が買い手の中心になりつつあります。

購入に踏み切らず、「しばらくは賃貸で様子を見る」という慎重な姿勢の人も一定層おり、また、自由度の高い暮らしを求める人々の間でも賃貸が改めて評価されているようです。

総じて言えば、2025年末のニュージャージー州の不動産市場は、まだ価格は高いけれど、以前のような過熱した買い急ぎの状況は落ち着いてきて、無理なく判断する人が増えている状態と言えます。賢くタイミングを見て買う人もいれば、とりあえず賃貸で様子を見る人もいる──そんな現実的で落ち着いた市場に変わりつつあります。そのため、家を買うなら、慌てずに、専門家に相談して、地域ごとの違いや金利、物件の状態をしっかり比較することをおすすめします。

【ニュージャージーのパラマスの動画です。ぜひご覧ください】


この記事の筆者

Relo Redac, Inc.(リダック)は企業・人・資産のリロケーションを目指し、1986年にNYで設立されました。2005年にリログループ(東証プライム上場)の会社になり、以来、米国  に進出される日本企業、駐在員、投資家のみなさまのニーズにお応えするため、住宅の斡旋、オフィス設営や不動産投資、コンサルティング等の不動産総合サービスを提供しています。

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